平成19年6月定例会 



平成19年6月定例会
平成19年6月25日(月曜日)
第1 議案外質問


議長(梅村邦子君)
 これより本日の会議を開きます。
 これより日程に入ります。
 日程第1「議案外質問」を行います。
 最初に、水平かずえさんにお許しいたします。

    〔水平かずえ君登壇〕

(水平かずえ君)
    

 皆様、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
 質問の前に、一言申し上げます。
 私は、昭和区選挙区より選出いただきました水平かずえと申します。今後とも皆様方の御指導を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、2010年開催の第10回生物多様性条約締約国会議−−以下COP10と略します−−COP10誘致を契機とした環境首都なごやの実現についてお尋ねします。
 本年1月、地球温暖化問題に取り組み、映画「不都合な真実」に主演したアル・ゴア元アメリカ副大統領と市長が対談しました。今や、地球環境問題は21世紀に人類が直面する最大の課題であると言われています。
 6月1日には国において、取り組むべき環境施策の方向性と貢献についての指針である21世紀環境立国戦略が策定されましたが、その中では、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会づくりの取り組みを進めていくことにより、地球環境の危機を克服する持続可能な社会を目指すこととされています。そして、生態系の危機に対する、今後一、二年で重点的に着手すべき戦略として、COP10の開催を契機とする、生物多様性の重要性について国民の理解を得るための取り組みを進めることとしています。
 名古屋市では現在、藤前干潟の保全活用や東山動植物園の再生、堀川の再生など、生物多様性の保全につながる事業を展開しています。COP10の誘致については、本年1月に、名古屋市を開催候補地として立候補する旨、閣議了解がなされ、国として正式に誘致に動き出すことになりました。
 本年3月には、ブラジルのクリチバ市で開催された生物多様性国際市長会議に市長が参加し、COP8開催都市であるクリチバ市、COP9開催都市であるボン市、そして、生物多様性条約事務局が設置されているモントリオール市などとともに、生物多様性に関して主導的な役割を市長が担ったと聞いております。
 COP10の誘致については、現在のところ、日本以外に立候補を表明している国はないと聞いていますが、来年の開催地決定に向け、引き続き生物多様性の保全に取り組む名古屋の姿を世界に対してアピールしていかなければなりません。
 去る5月22日には、国連の定める国際生物多様性の日ということで、栄のオアシス21などで記念イベントが行われ、オーストラリア・ジロング市との湿地提携の調印式も行われました。
 そして、6月13日には、名古屋市、愛知県、名古屋商工会議所、中部経済連合会という地元の行政機関と経済界により誘致委員会が設立され、地元として本格的に誘致活動を推進していく格好が整いました。
 誘致に向けて順調に事が進んでいるようですが、改めて生物多様性とは何かと自問してみると、私自身、当初ははっきりした答えが浮かびませんでした。イベントにも湿地提携にも、市民にわかりやすく伝えることで生物多様性に関する理解や関心を深めてもらいたいとの思いは感じますが、まだまだ浸透が足りないように思われます。
 COP10を誘致、開催し、環境首都を目指す名古屋市としては、生物多様性の重要性を市民、そして世界に対して発信していくことが必要だと思われます。そのため、名古屋市は、他の自治体、さらには世界の他の都市に対してイニシアチブを発揮していくことが重要なのではないでしょうか。また、COP10開催地として、率先して生物多様性に関する戦略的な取り組みを進めていく必要があると思います。
 環境首都を標榜する本市として、今後具体的にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、市長のお考えを伺いたいと思います。

 次に、介護予防の推進についてお尋ねします。
 現在、65歳以上の高齢者人口は全体の約2割を占め、今後は団塊世代が介護保険の利用者となり始める2015年を目前に控えています。高齢者を対象とする介護保険制度は、制度発足当時に比較すると、認定者で約2.3倍、給付費で約2倍と、著しい伸びとなっております。
 平成18年4月に実施された制度改正は、制度の持続可能性を目指した予防重視型システムに変換され、新しい取り組みとして開始されました。この中で規定された介護予防事業は、高齢者の方ができる限り介護を必要とせず、生き生きとした暮らしをいつまでも続けていただくという観点から、大変重要な施策であると考えております。
 生活機能低下のおそれのある高齢者を早期に把握して、心身機能の維持向上を目的とする介護予防事業の参加者は、当初予定した計画値を大幅に下回っていると聞いています。実際は目標に比べてどのように推移しているのか、伸びていない理由をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。介護保険の給付の伸びを抑えるという点から、介護予防事業の利用が進まない状況を改善するために本市としてどのような方策を考えているのでしょうか。
 平成18年4月から、高齢者の相談窓口の拠点として市内に29カ所の地域包括支援センターが設置されました。介護予防事業のマネジメントは、地域包括支援センターの業務と位置づけられております。現在、このセンターでは、生活機能の低下が見られる高齢者の方々に対し、運動器の機能向上事業、口腔機能向上など、主に国の作成したメニューを中心にプランを作成し、介護予防サービスを提供しています。
 ところで、市内の各地域では、老人クラブの皆様によるスポーツ活動を初めさまざまな健康づくりのための活動が行われています。例えば、私の知り合いの中でも、ダンベルや日本舞踊を取り入れた筋力トレーニングの指導をされている方がいらっしゃいます。これらの活動を介護予防事業に取り入れてはいかがでしょうか。地域包括支援センターで地域にお住まいの方々による健康づくりの活動の情報収集を行い、積極的に介護予防事業の中でコーディネートすることで、地域の活動によい影響を与え、ひいては介護予防事業の活性化を図ることができるのではないかと考えます。
 以上、健康福祉局長の御見解をお伺いします。

 最後に、なごや食フェスタ2007開催についてお尋ねします。
 食は、だれもが興味を抱くテーマではないでしょうか。
 昨年10月に姉妹都市提携1周年を記念して、市長を初めとする代表団がイタリア・トリノ市を訪れた際、サローネ・デル・グストという食の祭典を視察したことを契機に、名古屋でも食のイベント、なごや食フェスタ2007が開催されると聞いております。このトリノ市の食の祭典は、5日間で17万人が参加する盛大なイベントだったようです。私はイタリアが好きで何度か訪れたことがありますが、人々は食を楽しみ、生活を楽しんでいるような印象を常に受けました。
 9月27日から9月30日までの4日間、名古屋国際展示場で開催され、食育を推進するためのイベントですが、食フェスタということは、フェスティバル、すなわち食のお祭りと理解いたします。理念はもちろん大切ですが、実際に会場に足を運んで体験することこそが肝心なのではないでしょうか。
 私がこの食フェスタ2007に参加した場合、どのような楽しい、わくわく、どきどきするような体験ができるのでしょうか。また、子供から大人まで大勢の方に楽しんでいただける企画はあるのでしょうか。開催の3カ月前となりましたが、現時点においての取り組みについてお聞かせいただけますでしょうか。
 以上、健康福祉局長にお尋ねいたします。
 以上で、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。

    

市長(松原武久君)
 COP10誘致を契機といたしました環境首都なごやの実現につきまして、本市独自の生物多様性に関する戦略的な取り組みについてお尋ねをいただきました。
 本年の3月、ブラジルのクリチバで開催されました国際市長会議では、藤前干潟の保全を契機としたごみ減量、東山の再生、なごや環境大学における市民、企業との協働など、環境首都を目指す本市の取り組みを報告し、大変な好評をいただきました。里山、藤前といった言葉が、各都市との懇談会の場面でよく出るようになりました。
 この会議では、世界の人口の大半が都市に住んでいることから、生物多様性の保全のためには、生物資源の恩恵を最も多く受ける都市の取り組みが不可欠であるというクリチバ宣言を採択いたしました。生物多様性の保全にとりまして、都市の役割がますます重要になってくると認識を新たにしているところでございます。
 生物多様性の分野における先駆的な都市として、ただいま議員御指摘のクリチバ市、ボン市、モントリオール市などとも連携をいたしまして、日本のみならず、世界における主導的な役割を果たしてまいりたいと、こんなふうに考えております。
 また、国におきまして、第3次生物多様性国家戦略の策定が進められておりますことから、本市といたしましても、生物多様性の観点からまちづくりを進めるために、生物多様性なごや戦略の策定を検討してまいりたいと、こんなふうに考えております。
 本市ではこれまで、堀川1000人調査隊、あるいは藤前干潟の保全・活用、東山の森づくり、西の森づくりなど、市民との協働による取り組みが市内各所で進んでおります。こうした市民との協働は本市の誇りでございまして、世界へアピールするポイントであると、こんなふうに思っております。
 これまで、ごみ減量やCO2の削減に市民とともに取り組んでまいりましたが、今後は生物多様性という課題に取り組みまして、環境首都なごやの実現を目指してまいりたいと、こんなふうに考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。

健康福祉局長(長谷川弘之君)
 健康福祉局関係で、2項目のお尋ねをいただきました。
 まず、介護予防の推進についての2点のお尋ねにお答え申し上げます。
 1点目の介護予防の実績及び改善策でございますが、高齢化が急速に進む中で、介護予防事業は、高齢者の方ができる限り住みなれた地域で健康に、そして自立したその人らしい生活を送っていただくための重要な事業であると考えております。
 本市では、平成18年度、生活機能の低下のおそれのある高齢者、いわゆる特定高齢者に対する介護予防事業の参加者を、高齢者の3%に当たる1万2500人であると見込みました。しかし、実際のサービスの利用者は1,625人にとどまり、当初の計画を大幅に下回っている状況でございます。これは、国が定める特定高齢者の選定基準が厳しいことや、介護予防の効果に対する理解が進まなかったことによるものではないかと考えております。
 全国的にも利用が進んでいない状況であることから、平成19年4月、国が選定基準を緩和いたしましたので、対象者の増加を見込んでいるところでございます。さらに、本市では、さまざまな機会を活用し、介護予防事業の意義についての普及啓発を行うほか、より身近な会場で事業に御参加いただくため、サービスを提供する事業所の拡大を図るなど、対策を進めてまいりたいと考えております。
 また、今年度は、健康都市なごやフェアや名古屋グランパスエイトの協力のもと開催するシニアサッカー健康教室など、多くの方が参加するイベントを通し、健康づくりや介護予防の必要性について広く市民の方に発信していく予定としております。
 次に、2点目の地域包括支援センターにおける取り組みでございますが、平成18年4月から市内29カ所に設置いたしました地域包括支援センターにおきまして、生活機能の低下のおそれのある高齢者の方々の御希望を伺いながら介護予防の推進に取り組んでおります。また、国の定めた介護予防の事業のほかに、料理教室への参加、ふれあい給食への参加など、地域にお住まいの皆様が主体となって行われる魅力的な活動も取り入れているところでございます。
 ただいま議員から、介護予防事業の活性化について御提案をいただきました。
 現在、市内の各地域では、健康づくりを目的とした自主グループや老人クラブの方々によるスポーツ活動も活発に行われております。今後、地域包括支援センターにおきまして、こうした活動の情報収集にも一層努め、より多くの高齢者の方々に積極的に参加していただくよう勧奨するなど、介護予防事業の活性化に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、なごや食フェスタ2007について、来場者に楽しんでいただけるような取り組みに関して御質問をいただきました。
 なごや食フェスタ2007は、食育を通じて、健康で心豊かなライフスタイルを提案するイベントでございます。来場者には、楽しみながら食の大切さを広く理解し、日常生活に生かしていただきたいと考えております。
 来場者に楽しく見て、食べて、実感していただく取り組みといたしましては、「スローフードを体感」などのテーマを設け、食育に関するトークショーやイタリア料理の調理の実演と試食、はし製作などの体験講座を企画しております。また、子供向けにはキャラクターショーも開催したいと考えております。さらには、出展各ブースにおいて、ゲームやクイズなどに参加いただいたり、いろいろな食品の試食や、ふだん顔を合わすことが少ない生産者や加工業者との交流ができるようにしたいと考えております。来場者の皆様には、にぎやかで楽しい雰囲気で食についてさまざまな発見をしていただけるものではないかと存じます。
 今後、なごや食フェスタ2007に多くの市民の方に興味を持って御来場いただき、家族全員で楽しんでいただけるよう一層の工夫を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(水平かずえ君)
 丁寧な御答弁ありがとうございました。
 必ずや名古屋にてCOP10開催を実現していただき、産業立国から環境立国へと、本市がイニシアチブを発揮されることを多いに期待しております。
 また、市長のお答えの中には、生物多様性なごや戦略の策定を検討されているとのことでしたが、この会議の重要性を広く市民の皆様に知っていただく広報活動もあわせて行っていただきたいと要望いたします。
 次に、介護予防の推進についてですが、日本は世界一、二の長寿国となりましたが、平均寿命ではなく健康寿命の世界一を目指し、今後より一層介護予防の重要性を伝え、介護予防事業の推進を図っていただきたいと思います。健康づくりや介護予防の必要性について広く発信していく予定とお答えいただきましたが、その広報の一環として、市民の皆様の目にとまりやすい、読みやすい、わかりやすいリーフレットづくりを要望いたします。
 最後、なごや食フェスタ2007についてですが、全国からも注目されるような食の祭典としていただきたいと思います。来場者の皆様に、にぎやかで、楽しい雰囲気で食についてさまざまな発見をしていただくとのことですが、何か心に残る、感性に訴えるような工夫をされることを願っております。そして、このイベントを楽しむことによって、食文化や食育の重要性について理解が深まるよう努めていただきたいと思います。特に、次世代を担う子供たちにとって印象に残る、中身の濃い、すばらしい食フェスタとなるよう要望いたします。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。