平成19年9月定例会 



平成19年9月定例会
平成19年9月20日
個人質問



議長(梅村邦子君) 
 次に、水平かずえさんにお許しいたします。

     〔水平かずえ君登壇〕

(水平かずえ君) 
 
 皆様、おはようございます。
 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い、第86号議案「名古屋市乳幼児医療費助成条例及び名古屋市小学生医療費助成条例の一部改正について」及び第95号議案「平成19年度名古屋市一般会計補正予算」について順次質問をいたします。
 今回上程された条例の一部改正案並びに補正予算案は、ことしの2月市会で子供の医療費助成制度の拡充が最重要課題として附帯決議をし、また、去る7月には、民主、公明、自民の与党3会派からの共同要請にこたえていただいたものであると認識しております。
 私は、今回質問するに当たり、我々自民党市会議員団の先輩議員がこの制度の拡充に力を注いできた経緯を知ることができ、大変勉強させていただきました。
 市の厳しい財政状況にかんがみ、平成12年度には、所得制限を導入しつつ、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、これまで順次対象年齢の拡大に努めてまいりました。また、所得制限についても、すべての子育て家庭への支援のために、長年にわたりその撤廃を強く求めてきたところです。
 平成20年度の我が会派の予算要望にも、子育て家庭への支援を一層推進するため、子供の医療費助成制度について、さらなる拡充の検討を重点項目として掲げております。
 そうした長年の努力の結果として、今回、子供の入院医療費に係る助成対象年齢を小学校3年生から小学校6年生までの拡大と、所得制限の撤廃は平成20年1月からの実施とはいえ、現行の制度から前進したものとして市長の決断を高く評価したいと思います。市長が掲げている子育てするなら名古屋でに一歩近づいたわけで、私も大変うれしく思っております。
 私は、地域で子育て中のお母さん方や友人とよくお話をする機会があります。過日、市長が子供の医療費助成制度の拡充を決断されたという新聞報道を知り、お母さん方は非常に喜んでいらっしゃいました。子供にとって病気やけがはつきものと言いますが、場合によっては多額の負担になるケースもあり、子供の医療費への助成拡大に対する市民の皆さんの要望も私のところへも多く届いております。
 さて、ここから数点にわたり、子供の医療費の助成制度について市長にお尋ねしたいと思います。
 まず最初に、今回の条例改正による拡充に伴う財源、約1億9000万円はどのように確保されたのでしょうか。また、愛知県知事はことし2月県議会で、子供の医療費助成を平成20年度の実施予定として、入院、通院を就学前まで、入院について中学校3年生まで拡大することを答弁しました。こうした流れを受けて、これからの本市の制度の拡充を検討する中で、本市の財源負担を軽減し、より安定した医療制度とするために、愛知県の動向を踏まえて、その対象年齢を県と同様の中学校3年生までとし、将来的には中学校3年生までの通院費の拡充を目指す必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、将来的にこの制度の拡充に要する財源ですが、当局の試算では、小学校6年生まで通院も助成対象とすると、平年ベースで約30億円、中学校3年生まで入院、通院も含め拡充すると、さらに同様に約12億円要すると聞いております。こうした財源を確保し、制度の拡充を検討する場合、平成12年度当時を振り返ってみますと、本市の財政状況との折り合いの中で、所得制限の条件をつけて制度を拡充した経緯がございました。最近の本市は、市税収入の増収等で明るい見通しを持ってはおられますが、将来、財政状況が悪化した場合や制度を取り巻く諸条件等に変更が生じた場合に、再度所得制限などの条件を付される可能性が心配されます。
 今回の医療費助成制度の拡充に向けた子育て家庭への支援の一層の推進との市長の決意は評価いたしますが、年度ごとに助成の基準や条件がころころと変更される制度では市長の決意が市民には伝わらないと危惧いたしますが、このことについてのお考えをこの機会に確認させていただきたいと思います。
 また、このように多額の予算を必要とするわけですが、将来にわたってこの財源の確保をどのように考え、また、愛知県及び国に対してどのような要望及び申し入れをされるおつもりなのでしょうか。
 以上、松原市長に御答弁をお願いいたします。
 これで、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)

市長(松原武久君)
 乳幼児医療費助成条例及び小学生医療費助成条例の一部改正並びに一般会計補正予算につきまして、5点お尋ねをいただいたと思います。
 1点目の補正予算の財源確保についてでございますが、今年度中に少しでも制度拡充を実施するために、今回、条例の改正案と補正予算案を提案いたしまして、1月からの実施を予定いたしたところでございます。その財源といたしましては、前年度繰越金と県費補助金を充てることといたしております。
 2点目の県が助成する中3までの助成についてでございますが、対象年齢の拡大につきましては多額の財政負担を伴いますことから、慎重に検討していくべき課題である、このように認識をしておりますが、本市といたしましては、少子化が進む中、子育て家庭に対する支援を一層推進していく必要があるということも認識をいたしております。
 県におきましては、議員御指摘のとおり、さきの2月議会におきまして、子供の医療費助成を通院は就学前まで、入院は中学卒業までの拡大につきまして、平成20年度の実現を神田知事が答弁されているところでございます。
 また、平成20年度には国の医療制度の改革も予定されておりまして、この機会を的確にとらえまして、財政状況を十分見きわめながら、平成20年度の予算編成を進める中で制度の拡充について鋭意検討してまいりたい、このように考えております。
 3点目の、さりながら、予算が増嵩していくけれども、所得制限撤廃についてそれを堅持するのかと、このようなお尋ねであったと思います。
 このたび、平成18年度に子ども青少年局を立ち上げるなど、本格的に少子化対策としての子育て支援施策を推進するために所得制限を撤廃したわけでございますが、今後とも子育て支援を一層推進していく中で、今回提案させていただいた所得制限撤廃の考え方につきましては、極力維持していくように努めてまいりたいと、このように考えております。
 なお、国や県の動向、あるいは社会情勢、経済状況等に大きな変化があれば、それに的確に対応することも必要であると、このように考えております。
 4点目に、将来にわたっての財源確保についてお尋ねをいただきました。
 国や県の動向などを見きわめながら、今後とも、市の施策全体において施策の優先順位をつける中で、重要な施策の一つとして財源を確保し、安定的な制度運営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 最後に、国や県への要望についてお尋ねをいただきました。少子化問題は我が国の最重要課題の一つでございまして、国レベルでの抜本的な取り組みが期待されます。子供の医療費助成につきましては、自治体レベルでの取り組みには限界がございまして、新たな財政措置や医療保険制度の充実など、これまでも国に対して要望してまいったところでございます。
 また、県に対しましても、毎年県費補助に関する要望を行っておりまして、引き続き、本市の実施状況を踏まえつつ、格段の配慮をお願いしてまいりたいと考えております。
 子供の医療費助成を初めとする子育て支援につきましては、国、県、市を挙げて取り組むべき重要な課題と認識しておりますので、今後とも強く要望してまいるつもりでございます。
 以上でございます。

(水平かずえ君)

 
 御答弁ありがとうございました。
 子供の医療費助成を初めとする子育て支援については、取り組むべき最重要課題として、今後も国や県へ強く要望していただきたいと思います。
 子育て支援拡充施策について論ずる際、子供のいない世帯にはメリットがないとの批判もありますが、今の子供たちが大人になったときには年金や介護を必要とする人たちを支える立場になるのですから、社会全体を考えれば、決してメリットがないということではないでしょう。
 以前、猪口邦子元内閣府特命少子化・男女共同参画担当大臣にお話を伺った際、社会全体で子育てを応援する意味を特に強調されていました。子供は社会の財産という考え方を形成されるべきではないかというもので、感銘を受けました。介護保険で老人介護を社会全体で応援する形が整いつつあります。子育てについても、社会全体で応援するというコンセンサスを早急に浸透させたいものです。
 その他、詳細の質疑は、我が会派の先輩、同僚議員の意見を踏まえつつ、関係委員会で議論させていただくこととし、私の質問を終わります。ありがとうございました。